「免許は取れたけど、高速道路を運転するのが怖い」「合流でうまく入れるか不安」「車線変更のタイミングが分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

一般道とは違い、高速道路では走行速度が高く、合流や車線変更など短時間で判断しなければならない場面があります。実際、NEXCO東日本も初心者が不安を感じやすいポイントとして「車線変更」「合流」「速度低下」などを挙げ、初心者向けの運転方法を案内しています。

とはいえ、高速道路には信号や交差点がなく、基本的には同じ方向へ走る車しかいません。そのため、ポイントさえ押さえておけば「思っていたより走りやすかった」と感じる人もいます。

この記事では、初めて高速道路を運転する初心者に向けて、出発前の準備から料金所、合流、車線変更、車間距離、出口の降り方まで分かりやすく解説します。

初めての高速道路は短い区間から練習しよう

初めて高速道路を走る場合、いきなり数時間の長距離ドライブに挑戦する必要はありません。まずは近くのインターチェンジから高速道路に入り、1〜2区間程度走って次のインターチェンジで降りるくらいでも十分です。

できれば最初は、交通量の多い朝夕や夜間、雨の日を避け、天候のよい昼間に走るとよいでしょう。複雑なジャンクションが多い都心部より、比較的交通量の少ない道路を選ぶ方が落ち着いて練習できます。

一人での運転がまだ不安なら、最初の数回は運転経験のある家族や知人に助手席へ乗ってもらう方法もあります。初回から完璧に運転することより、まずは高速道路の速度感や流れに慣れることを目標にしましょう。

高速道路へ入る前にルートを確認しておく

初心者ほど、出発前の準備が重要です。

高速道路に乗ってから「次はどこで曲がるんだろう」「どのジャンクションで分岐するんだろう」と考えていると、その分だけ運転へ集中できなくなります。

出発前にカーナビを設定し、入口のインターチェンジ、途中のジャンクション、降りるインターチェンジを簡単に確認しておきましょう。出口直前で慌てて車線変更する状況も防ぎやすくなります。

また、高速道路へ入る前にはガソリン残量やタイヤの状態なども確認しておくと安心です。特に初心者の場合、「途中のサービスエリアで給油すればいい」と考えるより、あらかじめ余裕を持って準備しておいた方が運転中の不安を減らせます。

ETCレーンは時速20km以下まで減速する

ETCを利用する場合は、出発前にETCカードが正しく挿入されているか、有効期限が切れていないか確認しておきましょう。

ETCレーンでは高速道路の流れのまま進入してはいけません。NEXCO中日本では、ETCレーンへ時速20km以下に減速して進入し、レーン内では徐行して、開閉バーが開いたことを確認してから通過するよう案内しています。

前の車でETCエラーが発生して急停止する場合もあるため、車間距離を取って進入することも大切です。

料金所を通過したら、いよいよ本線への合流です。

高速道路の合流ではしっかり加速する

高速道路を初めて運転する人が、特に怖いと感じやすいのが本線への合流です。

合流で重要なのは、加速車線を使って本線の流れに近い速度までしっかり加速することです。

初心者の場合、「スピードを出すのが怖いから」と速度を抑えたまま合流しようとしてしまうことがあります。しかし、本線を走る車との速度差が大きくなるほど、かえって合流は難しくなります。

加速しながらミラーで本線の車を確認し、「この車の後ろに入ろう」と目安を決めます。その後、ウインカーを出し、ミラーと目視で安全を確認してから滑らかに本線へ入ります。

本線の車が完全にいなくなるまで待とうとする必要はありません。加速車線には終わりがあるため、周囲の車との位置関係を見ながら速度を調整することが大切です。

最初は緊張すると思いますが、何度か経験すると「どのくらい加速すれば入りやすいか」という感覚も徐々につかめるようになります。

高速道路では車間距離を十分に取る

高速道路では速度が高いため、一般道以上に車間距離を意識する必要があります。

NEXCO中日本によると、時速100kmで走っている車は、乾いた路面でもブレーキをかけてから停止するまで約100m進む場合があります。タイヤが摩耗していたり、雨で路面が濡れていたりすると、さらに停止距離が伸びる可能性があります。

初心者は「前の車についていった方が安心」と考えて距離を詰めてしまうことがありますが、むしろ前の車との距離に余裕を持った方が安心して走れます。

車間距離が十分にあれば、前方で急ブレーキや渋滞が発生しても落ち着いて対応しやすくなります。

前の車だけを見るのではなく、できるだけ遠くまで道路全体を見る意識を持つことも大切です。

基本は左側の走行車線を走る

複数車線の高速道路では、初心者のうちは基本的に左側の走行車線を中心に走れば問題ありません。

右側の追越車線は、その名前のとおり前方の車を追い越すために使用する車線です。警察庁も、高速道路ではキープレフトを原則とし、追い越しが終わったら走行車線へ戻るよう案内しています。

初心者の場合、無理に追い越しをする必要はありません。

周囲の車が自分より速く走っていたとしても、それにつられて必要以上に速度を上げるのではなく、道路標識や交通状況に従って安全に走行しましょう。

車線変更は早めに準備する

高速道路の車線変更で最も避けたいのが、「出口直前になって慌てて車線を移動する」ことです。

ナビから「この先、左方向です」などと案内があったら、早めに周囲の状況を確認して必要な車線へ移動しておきましょう。

車線変更するときは、まずミラーで後方を確認してウインカーを出します。その後、ミラーだけでは確認できない死角を目視し、安全が確認できてからゆっくり車線を移動します。

後ろから速い車が近づいている場合は、無理にその前へ入る必要はありません。その車を先に行かせてから、安全なタイミングで車線変更すれば大丈夫です。

「今すぐ移動しなければ」と焦るほど危険な判断につながりやすいので、余裕を持った行動を意識しましょう。

出口を通り過ぎても急ブレーキやバックはしない

初めて高速道路を走ると、「出口を間違えたらどうしよう」という不安もあると思います。

しかし、出口を通り過ぎてしまっても慌てる必要はありません。そのまま次のインターチェンジまで進み、安全に高速道路を降りましょう。

出口直前で急ブレーキをかけたり、無理な車線変更をしたりする方がはるかに危険です。当然ですが、高速道路上でバックやUターンをしてはいけません。

警察庁も、誤って逆方向へ進んだ場合にUターンや逆走を続ける行為は非常に危険だと注意を呼びかけています。

カーナビを利用していれば、出口を通り過ぎても新しいルートを再検索してくれます。「間違えたら次で降りればいい」と考えておけば、焦りも軽減できます。

渋滞が見えたら早めに減速する

高速道路では、渋滞の最後尾への追突にも注意が必要です。

遠くに渋滞が見えたらアクセルを戻し、前方の車との車間距離を確保しながら徐々に減速します。

NEXCO中日本では、渋滞末尾でのハザードランプ点灯や、早めの減速を安全対策として案内しています。

高速道路では速度が高い分、目の前の車だけを見ていると対応が遅れてしまいます。初心者のうちから、「できるだけ遠くを見る」という習慣をつけておくと、安全運転につながります。

疲れる前にSA・PAで休憩する

初めて高速道路を運転すると、想像以上に疲れることがあります。

長時間ハンドルを握り続けたり、眠気を我慢したりする必要はありません。疲れを感じたら、早めにサービスエリアやパーキングエリアへ入りましょう。

特に旅行や帰省などでは「○時までに到着したい」と時間を気にして無理をしてしまいがちです。

初心者のうちは到着時間に余裕を持ち、途中で休憩することを前提にスケジュールを組んでおくと安心です。

事故や故障で停止したら車内に残らない

高速道路で事故や故障が起き、やむを得ず停止した場合は一般道と対応が異なります。

NEXCO東日本では、ハザードランプや発炎筒、停止表示器材などで後続車へ合図したうえで、運転者と同乗者はガードレールの外側など安全な場所へ避難するよう案内しています。停止した車へ後続車が追突する事故があるため、車内で待機することも危険です。

安全な場所へ避難した後、110番や非常電話、道路緊急ダイヤル「#9910」などを利用して通報します。

高速道路を初めて利用する前に、車のどこに発炎筒や停止表示器材があるのか確認しておくとよいでしょう。

初めての高速道路は無理をせず経験を重ねよう

初めて高速道路を運転するときは、合流や車線変更、高い速度などに不安を感じるものです。

しかし、最初からすべて完璧にできる必要はありません。

まずは天候のよい昼間に短い区間から走り、加速車線では本線の流れに合わせてしっかり加速する。走行中は十分な車間距離を取り、基本的には走行車線を走る。出口や分岐が近づいたら、余裕を持って車線変更する。

この基本を意識するだけでも、かなり運転しやすくなります。

一度走ってみると高速道路特有の速度感や流れが分かり、2回、3回と経験するうちに少しずつ余裕も生まれてきます。

「高速道路以前に、まだ一人で運転すること自体が怖い」という方は、「免許取り立てで運転が怖い人へ|初心者が運転に慣れる練習方法と注意点」もあわせて参考にしてください。